日時 平成29年2月
場所 東京都
事案 典型的な「競馬レース情報提供詐欺」のケース。SNSにて「高確率で的中可能な競馬レース情報を提供している」と謳う会社にネット上で登録、その後に相手業者の代表者と名乗る者より電話連絡が入り「誰が試しても失敗することがあり得ない、確実に25万円以上を稼ぐ方法です」との説明があり、さらには別の担当者より「6日以内に25万円以上、1ヶ月後に100万円以上、1年で1,000万円以上の利益が確定することをお約束致します」等の説明をとともに各種情報が提供されるプラン「スピードリッチPROJECT」「SUCCESS PROJECT」「FINAL PROJECT」等の勧誘を受け、その度に「獲得保障金額が増額したので情報代金を追加して頂く」等の請求から金銭を支払い、またそれら金銭を工面出来ない際には担当が立替を申し出、後にそれが会社の規約違反であると責め立てられ、支払いを強要されるなどし、結果的に数回に亘って合計金1,297,000円の支払いに至るも、その後は現在までに様々な理由をつけレースへの参加は実施されず、あらに追加金支払いのみを継続的に要求されている状況であった為、当事務所に相談。
対応 本件が典型的な詐欺であることは容易に判断出来るが、業者が虚偽の所在地を公表している可能性もある為、クライアントに対しては騙されたフリをして相手業者との会話(間違いない、必ず高額配当」などの発言)を全て録音するように指示、それらの発言が録音出来た時点で内容証明郵便を相手業者に発送。しかし相手業者の住所が虚偽の為に内容証明は届かずに返送となった。その為、即時最寄り警察に被害相談に伺い被害届の正式受理手続きをすすめつつ、クライアントには継続して騙されたフリを指示のうえ相手業者の指示する銀行口座を聞き出してもらい、それを担当刑事に伝え随時凍結を依頼。それらの凍結が数回行われた後、相手業者に「全て録音しているし、既に警察に被害届を受理してもらう手続きを進めている。本日中に返金をしなければ例え今後において返金があっても被害届は取下げしないので覚悟するように。」と警告。
その後に一度相手業者より50万円が振り込まれ、和解書を交わしたうえで残金は分割返済の希望を伝えられる。
しかし、クライアントは再度その申出を拒否。以下の内容をメールで通告した。
「貴社からのメールを拝見致しました。まず、今回の貴社からの一部返金は、今後に貴社が警察より逮捕された際に「返金の意思はある、和解している」と主張し詐欺事件としての起訴を免れる為の行為であることは容易に判断出来、当方としてはこの度の金50万円での返金では一切和解の意思などございませんし、現在までの貴社対応に憤慨しておりますので、例え後日に全額の返金があった場合でも被害届は提出させて頂きます。尚、担当刑事さんとの日程調整のうえ、本日の夕方に被害届正式受理の為の手続きに伺う予定ですので、もしも本日15時までに貴社からの残金79万7千円の振込が確認出来た場合には、被害届提出を停止することもやぶさかではございません。以上、本メールへの返信は頂く必要はございませんので、返金の有無で貴社の考えをお示しください。」
結果 相手業者より、追加で79万7千円が振り込まれ、被害金全額の回収に成功
クライアントからのメール(原文のまま)
梶山様
ご報告いたします
本日、残金797000円の振り込みがありました
昨日の夜、代表取締役社長の名前でメールがあり
被害届を出さないこと、担当警察官に和解をしたことを伝えること、和解書に署名・捺印することを条件に全額振り込むという連絡があり、確かに今日入金されていました
無事、全額返ってきました
梶山様には本当に色々相談にのっていただき、感謝しております
半ばあきらめていましたが、梶山様に「諦めないで頑張りましょう」と勇気づけられ
頑張ることができました
本当にありがとうございます
2/15に息子の大学の合格発表があり、すぐに入学金等の支払いがあります
それに間に合うことができ、本当に助かりました
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