日時 2020年1月
場所 ●●
事案 上海でのボッタクリ事件としては典型的なパターン。経緯は以下。経緯
(1)2019年1月10日の午後20時ごろ、被害者が上海の宿泊先ホテルから同僚3名と一緒に外灘観光をしている際、日本語のできるアジア系女性に声をかけられる。「マッサージどうですか?」と声を掛けられる。
(2)被害者等が「食事の場所を探している」と回答すると、同女性が「私が案内する」とのことで近隣の飲食店へ案内される。そこで被害者等が食事を済ませる約1時間の間、同女性は待機しつつ「食事が終わったらマッサージ行こう」「マッサージ1時間300元」と執拗に勧誘を継続。被害者以外の同僚3名には電話番号を渡しており、また飲食店も通常の飲食店であった為、被害者等は同女性を信用してしまい、マッサージを承諾。
(3)被害者及び同僚3名でタクシーに乗せられ5分ほど走行し店舗へ到着。尚、同女性が「タクシー代はサービス」とのことであった。そのまま店に入店、各自300元を支払うと各自個室に案内される。
(4)マッサージ開始、約15分でマッサージ終了。その後は一緒に入店した同僚3名も当方と同じ部屋に呼ばれる。4名で待機。
(5)その後、突如屈強な中国人男性2名が部屋に入ってきて、日本語で「この店は高級な店で、どうやってこの店にきたのか?お前らが誰に連れてこられたかなど知らない。ここへ来る人はみんなちゃんとお金を払っている。(※別の被害と思われる方の29万元のカード決済明細写真を見せられる)。お前たちが入店時に支払ったのはチップであり、店への支払いは別である。
(6)当然の如く被害者と同僚で支払を拒否のうえ退店しようとすると、屈強な中国人2名は部屋からの退室を妨害、監禁が始まる。そして大きな声で恫喝を繰り返し「最低でも一人3万元。支払わないならもっと怖い人間を連れてくる。今ならもう少し減額してやるが、これ以上の減額は無い。ここで支払しないならどうなっても知らないぞ、もっと高くなるぞ。」などと執拗に支払を迫られる。
(7)一連の監禁、脅迫により憔悴していた被害者と同僚は、命の危険を感じ支払に応じる意思を示す。しかしクレジットカードは当方しか所持していなかった為、被害者の所有するクレジットカードを店員に渡す。そして「1回目20000元・2回目29980元、合計49980元」を決済。明細の交付はなし。
(8)その後、店舗の屈強な男性店員より同僚3名に対して「最初に女性に渡された電話番号を返却しろ」とのことで、メモ用紙を回収される。(※この時点で最初のキャッチ女性と店舗が完全に情報共有していることも明らか)、そして約10分程待機させられたうえ、「タクシーで帰れ」と言われ解放される。
(9)解放された後、被害者等はタクシーに乗らず徒歩でホテルまで帰宅したが、解放された店舗から宿泊先ホテルまで店舗関係者1名より追跡監視を続けられた為、被害者等は宿泊先ホテル到着後も現地違法集団から報復を恐れ、現地にて日本領事館や現地公安に被害相談すら出来ずに帰国。
(10)現在は警察(日本)への被害届(監禁、脅迫、恐喝)を提出すべく手続きをすすめる。
対応 当事務所においては、他の同様被害への対応と同じく内容証明郵便にて不正利用されたクレジットカード発行会社に対して、不当決済取消若しくは保険適用により被害金の保証を強く要求。同時にクライアント居住地管轄の警察署に被害届提出をアドバイス。クライアントにて居住地管轄の警察署へ即時被害相談のうえ、正式に被害届として受理。再度クレジットカード会社に対して「警察での被害届正式受理・日本領事館より被害レター取り寄せ済み」の事実を伝えたうえ、本件不当決済の取消を要求。
結果 最初の内容証明郵便発送後、1年間もの長期間経過した時点でクレジットカード会社よりクライアントへ連絡が入り、被害金額の半額を保障する提案を受ける。クライアントの方で同提案に承諾し和解成立。
クライアントからのメール(原文のまま)
梶山様
●●です。今回の件では大変お世話になりました。●●より結論の通知がありました。「今回の件では、お客様(私)の不当支払いに関して事実を認めるところであるが、友人の分の支払いに関しては、微妙な判断となるところである。このようなケースが過去になく、保険会社、●●社内で慎重に検討しました結果、被害金額の半額を保証とすることで解決としたい。」・・・・この提案に対し、ゼロ回答も覚悟していた私としては、これ以上の交渉は時間も掛かるし結果として増額は期待できない●●側の意志も感じましたので、了解しクロージングを行いました。同僚も半額戻るならそれで終わりにしように同意を得、年内終了と致しました。梶山様には諸事面倒を見ていただき、全額返金とまでは行きませんでしたが、個人ではどう交渉して良いかも解らない中、的確なアドバイスをいただき多額の被害を減することが適い大変感謝しております。重ねての御礼です。どうもありがとうございました。