日時 2020年1月
場所 ●●
事案 韓国の観光客向け化粧品販売店内で発生した、監禁及び脅迫を伴うボッタクリ行為。経緯は以下。
(1)2019年7月19日14時、韓国ミョンドン市内の路上にてキャッチより呼び止められ、被害者がもともと購入を希望していた「6万ウォンのハンドクリーム」が購入できるとのことで、そのまま当該悪質加盟店に入店。
(2)入店後、日本語の話せる店員に接客を受け、被害者が購入を希望する「6万ウォンのハンドクリーム」以外にも次々と商品を勧められるも被害者が購入を断ると、同店員は「全てサービスサービス」と無料であるとの説明にて大量の商品を袋に詰める。その後、同店員より「大量で持てないだろうから、このまま日本に郵送する」と説明され、その後は何等金額の提示もなくカード決済におけるサインを求められる。
(3)被害者より同店員に対して「結局総額いくらなの?」と金額を確認すると「今私も昼休み中で忙しい。後で全部説明するからとりあえずサインして。名前だけで良いから。」と強引にサインを迫り、被害者は「全てサービスサービス」という説明を信用し、6万ウォンの料金であると認識のうえ同店員の指示に従い黒いボードにサインを行う。直後、同店員は「商品はすぐに日本に送付する」と言って商品を裏に持っていく。
(4)その後、店先に別の店員(男性)が待ち構えており、退店しようとする当方に対して「パスポートを確認する」と言ってパスポートを回収され、更には再度何等かサインを要求された為に被害者よりサインの使用用途を確認するも「免税の為に必要」との説明であった為に被害者にてサインを行う。
(5)その後、同店員よりレシートの束を渡されてた際に被害者より「大体いくらなの?」と金額を最終確認をしたところ、その時点で同店員から「日本円で7万円位だよ」などと回答を受け、被害者にて「そんなに払えないから直ぐにキャンセルして!!」と伝えると、今度は「セール品だから駄目だし、既に商品は日本に送ったからキャンセル出来ない」などと恫喝を受け、被害者と被害者の娘は恐怖感から逃げるように当該悪質加盟店を退店のうえホテルに避難。ホテルにて当該悪質加盟店にて受け取った明細を確認すると1940000ウォン(日本円で約18万円)のレシートを発見。同時に当該悪質加盟店よりLINEにて商品発送の通知が届いていた為、被害者より金額についての反論及び確認メッセージを返信するもその後は回答なし。その為、被害者よりLINEにて当該悪質加盟店に対して「不当カード決済の取消要求及び商品返品」の意思を送信。
(6)直後、再度当該悪質加盟店に訪問し「こんな金額聞いていない。早急に決済を取消しろ」と要求するも、店員より「知らない。サインしたのはあなただから。文句があるなら警察でもどこでも行け。」との対応。
その為、被害者にて同日17時位に現地警察に行き、日本語の話せる観光警察の方二人と当該悪質加盟店に再訪問。観光警察の方より当該悪質加盟店に対して「毎度毎度、貴店で同様の被害相談が発生している。返品に応じたら?」と適切な対応を要求したところ、当該悪質加盟店より「90万ウォン分はキャンセルしてやる。本来はダメだけど特別だ。日本に荷物が着いたら商品(詳細は店員より指示あり)は返送しろ。」との条件を提示され、同時に「これ以上いると営業妨害で訴える」と脅迫を受けた為、一旦退店。
(7)ホテルにて、当該悪質加盟店がキャンセルを提案した90万ウォン分について、店員の指示した商品を確認するも、一体どの商品なのかも不明、さらには免税用紙を確認したところ免税書類自体が不正確であり、そもそも当初の購入目的であったハンドクリームの6万ウォンの明細も存在しなかった。
(8)翌日20日の17時位に再度観光警察と一緒に当該悪質加盟店を訪れる。被害者より「90万ウォン分の商品を返送しろと指示がありましたが、詳細が不明でありそもそも私が買おうとした商品ではない。また免税の書類自体も不正確である。」と指摘し、それに対しての当該悪質加盟店との回答の中で「あなたが決済したのは二件だ」との話が出て、その時に初めて本件不当決済は194万ウォンと90万ウォンの合計2回の決済が行われているものであることが発覚。当方より激しく抗議すると、当該悪質加盟店店員より「2階にくれば今回のカード決済が適切なものである証拠を見せる。警察は1階にいろ」とのこと。被害者と中学生の娘2名で2階に上がり証拠資料を確認するも、単に「無音声の防犯カメラ映像」のみであり、何ら証拠とならないものであった。その為、被害者より「この映像のみでは何ら適切なカード決済の証明にならない」と指摘、再度不当決済をの取消を要求。そうしたところ、当該悪質加盟店店員は激高し「お前たちは迷惑かけてくれて、これでは90万ウォンも返さないし、逆に営業妨害で訴えるからな!!」などと大声で喚き、恐怖で泣いている被害者の娘に対しても耳元まで近寄り「キチガイ」と何度も大声で恫喝するなど信じがたい行為が長時間続き、命の危険を感じた被害者と娘はやむなく退店。同行した現地観光警察からは「民事不介入を理由に一切関与出来ないのが申し訳ない。ただし同店での同様被害が多発しており、観光警察としても対応に困っている。」との説明を受ける。
(9)インターネットでネットで検索すると、当該悪質加盟店での同様被害が多数確認出来、当該悪質加盟店が常習的に詐欺行為を行っている事実が確認出来た。その為、現地日本領事館への被害相談を検討するも、土日の為に対応不可。被害者等はそのまま帰国。
(10)帰国後、7月22日の時点で即刻クレジットカード会社へ本件被害を報告。その後7月24日に決済データ確定後に再度被害報告のうえ調査依頼。
(11)外務省へ被害相談を行ったところ、韓国警察への被害届けが電話でも可能である事実を知り、韓国警察署に被害届けの為に電話したが、「折り返し連絡する」とのこと。現在までに折り返しの連絡はなし。また、日本の警察にも被害届けが出せるとのアドバイスを外務省から頂いた為、被害者自宅所在地を管轄する警察署に被害届けについて相談。
(12)日本の警察に被害相談に行くも、正式に被害届は受理されず、被害相談受付となる。
対応 当事務所においては、他の同様被害への対応と同じく内容証明郵便にて不正利用されたクレジットカード発行会社に対して、不当決済取消若しくは保険適用により被害金の保証を強く要求。同時にクライアント様居住地管轄の警察署に被害届提出をアドバイス。クライアント様にて居住地管轄の警察署へ即時被害相談のうえ、正式に被害届としては受理受理してもらえないものの、被害相談受付の形であった為、その事実を即時クレジットカード会社へ追加報告。クレジットカード会社からは調査開始の回答を受ける。
結果 最初の内容証明郵便発送後、比較的早い段階で約9割の決済取消対応が決定した旨カード会社より連絡がくるが、使途不明金数万円の取消が保留となっていた為に強く抗議。全ての不当決済金を取り消すよう再度強く要求。その後、約半年間もの長期間経過した時点でクレジットカード会社より連絡が入り、本件被害金全額の取消が決定。
クライアントからのメール(原文のまま)
●●●●●です。
昨年よりお世話になっている韓国化粧品カード詐欺事件の件で昨日カード会社より返事があり不足分も全額返済されるとの事で解決しました。先生には事故等の大変な時期に本当に良く対応して頂いて感謝しています。先生の励ましに何度も救われました。韓国の化粧品ショップでは今後注意をして買い物をするということも学びました。。今後も私と同じ被害が少くなる様に願うばかりです。本当にお世話になりありがとうございました。先生もお身体大切にされて下さい。