場所 ポーランド・ポズナン市内
日時 2020年2月1日の未明
事案 海外での昏睡ぼったくり被害。場所はポーランド共和国。被害発生経緯は以下。
(1)2020年2月1日、ポーランド共和国ポズナン市内にてクライアントが同僚とともに取引先と会食、会食後の午前1時ごろ同僚2名と宿泊先へ向かって歩いていたところ、同僚の1名が飲食店に入店、追ってクライアント含め2名も入店。
(2)入店後、3名はそれぞれ個室に通される。個室に入った時点で、同店がストリップクラブであることを認識したため、すぐに店を出ようとしたが、店員よりドリンク代を請求されたため、やむを得ず、一度だけドリンク代としてクレジット決済を行った(1回目・決済¥36,021)。暗証番号入力。意識あり。
(3)最初のドリンクを飲んだ直後、3名とも突如意識を失う。
(4)約1時間半ほど意識を失う。
(5)午前3時15分ごろ辛うじて意識を取り戻し、突如意識を失ったことなどから危険を感じて退店しようとしたが、店員より更に飲食代金を請求され、楽天カードを提出するも既にロックがかかっており、別カード(JCB)にて決済(9回目・決済¥88,307)。料金は著しく高額であったが身の危険を感じていた為に止む追えず決済に応じて即退店。同僚2名の姿は無かった為、クライアント1人で宿泊先のホテルに戻る。
(6)翌日、午後15時15分の便でポズナン空港より帰路につく。
(7)日本に帰国後の2月4日、ウェブ明細を確認したところ一切把握していない不当決済(決済②~⑧)被害が発覚。
(8)2月5日、クレジットカード会社へ被害報告のうえ決済取消対応を含め要求。
(9)2月9日、クレジットカード会社より電話連絡を受け「本件は対面式の暗証番号入力によるものである為、支払取消対応不可」との回答を一方的に受ける。
(10)地元消費者センターを介してクレジットカード会社へ本件不当決済取消要求を継続するも、クレジットカード会社にて対応不可。さらにはクレジットカード会社より国際ブランドであるマスターカードに対しての調査依頼を行うも一切対応なし。クレジットカード会社にてこれ以上は対応出来ないとのこと。
その後、同様事案について経験豊富な当事務所へご相談。
対応 本件は同様の海外でのぼったくり被害と同様に「①現地警察署への被害届」「②現地日本領事館への被害レター発行依頼」「③日本国内の警察署(住所地管轄)での被害届」をすすめるも、①はクライアントの努力により受理となるも、②はポーランド日本領事館が対応せず、また③についても日本の警察署にて「海外での事案なので被害届は受理出来ない」の一点張りで拒否される。そこで③については過去に海外での同様被害において日本国内の警察署にて被害届が正式受理されている事例を担当刑事さんに示しつつ本件被害届の正式受理を要求するも再度拒否された為、同警察署長宛てに直接手紙を書いて適切な対応を強く要求、その結果日本国内の警察署にて正式に「非侵入窃盗」として被害届が受理される。
そのうえでクレジットカード会社に対して「①現地警察署への被害届」並びに「③日本国内の警察署(住所地管轄)での被害届」の正式受理を含め報告しつつ、本件不当決済の補償適用を要求する内容証明を送付。
結果 被害発生、そしてクレジットカード会社へ補償適用要求の内容証明郵便を発送してから1年4カ月以上が経過した時点で、本件被害金についてほぼ全額補償(意識がある状態での1回目のと9回目(別カード会社)の決済は補償されず)が決定。以上をもって本件は終了。
クライアントからのメール(原文のまま)
梶山様 、お世話になっております。ご無沙汰しております。かなり時間を頂戴しましたが、結論、進めておりました保険適用が見事認められ、請求していた金額全額が返金されましたので、ご報告させていただきます。昨日手元に届いた明細添付いたします。先日突然口座に振り込みがあったり、カードのアプリ明細を見たら5月の請求金額が0円になっていたりと、相変わらず何の連絡もない対応の悪さでしたので、再びお客様相談室の担当●●に直接連絡し、「ちゃんと明細をよこせ」と要求したら郵送されてきました。ご確認ください。
支払取消請求金額:66●,●24円・保険適用金額:66●,●24円全額
返金方法:5,6月のカード請求額への充当及び銀行口座への入金にて
結局事件発生から1年4か月も要してしまいましたが、要求していた金額が全額返ってくる形になりまして、本当に良かったです。今回の決め手は警察での被害届受理かと思いますが、おそらく自分一人ではそこまでできなかったでしょうし、対警察、対カード会社との交渉に関して、何度もくじけそうになりましたが、梶山様のご協力のおかげで粘り強く交渉することが出来ました。何とお礼を言ったらいいか分かりませんが、とにかくこの1年大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。実際には最初と最後の支払いで10万円近くやられてはいますので、今回の件は自分自身しっかり反省し、二度と起こさないよう戒めたいと思います。また、今回の実績が、今後同じような被害をあった方々に、少しでもお役に立てばと思います。改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。●●