住居用賃貸借契約・借主死亡により相続人による清算手続き・敷金及び日割り家賃返金の合計金約14万円に対して、修繕費用として約32万円の請求(不足金約18万円の請求)を受けるも、最終的に敷金のうち約10万円の返金にて解決

日時   2022年2月

場所   神奈川県横浜市

事案   昔ながらの大家さん(国土交通省ガイドラインなど一切無視)と、大家さんの言いなりで対応する管理会社からの請求としては典型的なパターン。入居者が高齢でお亡くなりになり(孤独死ではない)約11年間入居した住居用賃貸物件を退去することとなった際、敷金及び日割り賃料返金分の合計金である約14万円に対いて、管理会社より約40万円もの修繕費用請求を受け、清算対応した相続人にて減額を要求。そうしたところ最終的に修繕費用請求が32万円に減額、敷金及び日割り賃料の合計金額に不足する金18万円の支払を請求された事案。

対応   当職にて賃貸借契約書やその他の資料を確認したところ、たしかに賃貸借契約書特約条項には「自然損耗・故意・過失にかかわらず畳替え、襖の張替え、喫煙によるクロス張替え費用は入居者負担とする」といった記載があり、その内容に沿った請求であった。しかし、同条項は同様の事件についての過去の判例や国土交通省の示すガイドラインに沿っておらず、入居者(消費者)が事前(契約時)に退去後の費用負担額を予想するのが完全に不可能であるとともに、仮に何等かの事情で物件に未入居・未使用・短期退去、などの状況であったとしても無条件に同高額負担を借主に課すことが可能となり、同特約は明らかに消費者の利益を不当に害しており、消費者契約法第10条において無効であると解釈できるものであった。その為、それらの条項を考慮せず、通常の敷金清算内容に沿って「経過年数」「通常損耗以上の汚損破損を発生させていない箇所」「過失による汚損箇所」などをふまえ、あらためて敷金清算金額を算出したところ、借主負担となる修復費用項目は「室内清掃費用」のみ、また長期に亘る入居期間において貸主に十分な利益を与えている点などを主張しつつ、敷金及び日割り賃料返金分の合計金14万円より室内清掃費用のみ差し引いた、金10万円の返金を内容証明郵便にて貸主へ直接通知。

結果   内容証明郵便送付の5日後、一切貸主や管理会社からの連絡もない状況で、請求した金額のみクライアント指定口座に振り込まれ本件は解決

クライアントからのメール(原文のまま) 

梶山さま

お世話なっております。なんと内容証明の返信なしで、入金だけされました。ありがとうございました。

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