日時 平成30年5月
場所
事案 上海でのボッタクリ事件としては典型的なパターン。経緯としては以下。
(1)平成30年1月6日の午後9時ごろ、下鉄の南京東路駅を降り人民広場方面を歩いていたところ中国人女性に声をかけられ、「マッサージいかが。300元だけ。」と言われ、クライアントが断るも無理矢理腕を組まれたまま、徒歩10分ほどの店に連れていかれる。
(2)店に到着。入店。クライアントが100元支払い。
(3)個室にとおされ、そこでマッサージを受ける。追加でクライアントが200元支払。
(4)30分ほどのマッサージ後に当方が会計を行い退店しようとする。
(5)その後、突如2名の屈強な中国人男性が部屋に入って来て、クライアントの財布を取り上げ所持金470元を取り上げ、そのまま監禁される。
(6)その後しばらくして、日本語が話せる中国人中年女性が部屋に入って来て、「ここは、日本人の来るところじゃない」「個室マッサージは中国では違法です。ここは公安とマフィアと社長にお金を払うため33,000元支払いが必要です。だけど、私が来たから、10パーセント割引するのでそれで手を打ちなさい」などと説明、さらには他の屈強な男性中国人より1時間以上に亘り恫喝を受け、所持品を全て没収され尚且つ体を押さえられ身動きが取れない体勢にされ、金を支払うよう脅迫的な要求を受ける。約1時間ほどの監禁及び脅迫を受け続けたところでクライアントは命の危険を感じ2枚のクレジットカードを渡し、店側が待ってきたカードリーダー機器に暗証番号を入力。2枚合わせて合計金17000元(●●●●●●Card・12000元、●●●●Card・5000元)の決済をさせられる。手持ちの現金170元も奪われる。
(7)解放。カード明細などの発行はなし。
(8)入口で待機していたタクシーに乗せられ、宿泊先のホテル前で降ろされる。
対応 帰国後にまずに当事務所へご相談頂いた時点で、内容証明郵便にて各クレジットカード会社に対して被害報告及び不当決済取消若しくは保険適用により被害金の保証を再度強く要求。また、上海の日本領事館より被害レター取り寄せ。警察への被害相談も実施※被害届受理には至らず。
結果 最初の内容証明郵便発送後、各カード会社より「暗証番号入力の場合、国際ルールで取消出来ない。保険適用出来ない。」と回答が来たが、諦めずに調査要求及び不当決済代金の支払い拒否を継続。再度カード会社の調査結果を待つ。事件発生から約5カ月後、各カード会社より連絡が入り、1社は全額保険適用、1社は3分の1自己負担(3分の2は保険適用)にて解決。
クライアントからのメール(原文のまま)
お世話になっております。2018.1.6に上海にてぼったくりにあった●●●●です。5カ月ほど、掛かりましたが終了しましたので報告します。
●●銀クレジットカード様分 12,000元は保険適用により全額返金となりました。(9月頃予定)クレ●●●●ン様分5,000元は保険適用により1/3請求となります。(7月頃引き落とし予定)事件が起きてから、時間がかかりましたが上記の様な結論にいたりました。大変ありがとうございました。今後、2度と同じ過ちを犯さないように努めます。