日時 2021年3月
場所 未開示
事案 最近、頻繁に相談を受ける被害パターン。SNSにてプライベートなつながりを希望するメッセージを受け、友人関係となった後に本来の目的である勧誘(主に「ZOOM」「LINE電話」その他)が開始、そのまま契約してしまうというもの。本件について契約に至った経緯としては以下。
(1)突如、見知らぬ人物からインスタグラムのメッセージ(プライベートで友人になることを目的とした)を受け、友人関係となる。
(2)その後も一定期間LINEのやりとりを行い、友人としての信頼関係が構築された時点でZOOMによる勧誘を受ける。 勧誘の内容としては「マ●●●ルに参加することで、2カ月~半年くらいまでには毎月20万円の収益を得ることが出来る。マ●●●ルはライザップの様な結果にコミットしたグループで他の教材、塾とは違う内容です。」といったものであり、同説明を信用して契約代金を支払い。(指定口座への振込にて約35万円、クレジットカード決済にて約53万円)
上記の経緯でクライアントが契約申込のうえ代金を支払った後、販売会社より指示された収益を得る方法としては「SNSを利用して(販売目的は告げず)DMを1日数十件ほど不特定多数に送り続け、その中で反応のあった人物にアポをとりLINEやZOOMにて教材を販売、同教材販売実績に応じてインセンティブが発生する」というものであった。しかし、販売目的を告げず不特定多数にDMを大量に送信するという行為は各社SNS規約に反する行為であり当方アカウント停止となるもので、明らかに適切な勧誘行為ではなく、そもそもクライアントに対する本契約の勧誘と全く同一であることも明らかであった。 その為、クライアントは本契約の取消及び既払い金の返金を希望し、同様の案件について経験豊富な当事務所へ相談。
対応 本件において販売目的を告げずに消費者にコンタクトしている時点で違法勧誘であり、また不特定多数の者に本来は営業であるにも拘わらずプライベートを装いメッセージを送信する行為も各SNS規約にも違反する行為であることは言うまでもないが、ZOOM勧誘時において「転売ビジネスにより将来に得られる利益」といった不確定な事項について「マ●●●ルに参加することで、2カ月~半年くらいまでには毎月20万円の収益を得ることが出来る。」等とあたかも確実に利益が得られるかの如く説明を行っており、それらは消費者契約法第4条1項2号違反である断定的判断の提供に該当。また、本契約はその勧誘形態から特定商取引法が定める「電話勧誘販売」に該当すると判断出来るものの、本契約締結に際しては同法の定める「法定書面」が交付されておらず、現時点でも本契約の解除(クーリングオフ)が可能となる。 その為、まずは販売会社に内容証明郵便を送付のうえ、上記を理由に第一にクーリングオフを通知のうえ既払い金全額の返金を要求、同時に仮に本件が仮に電話勧誘販売に該当しない(即ちクーリングオフの適用外)場合であっても勧誘時における違法行為(消費者契約法第4条1項2号違反(断定的判断の提供))を理由に契約の取消が可能となり、いずれにせよ既払い金全額の返金要求が可能で有る旨を通知のうえ、即時既払い金全額の返金を要求。
結果 内容証明郵便が送達した直後、販売会社からクライアントにLINEにて連絡が入り、契約解除及び既払い金全額の振込返金に応じるとのこと。2日後、クライアント指定口座へ相手業者より全額の振込が確認され本件は解決。
クライアントからのメール(原文のまま)
この度ありがとうございました!不安な所もあり自分の判断が正しかったのか、と思うこともありましたが今は後悔せず済んでいます。梶山さんありがとうございました! ●●●●●に対しては、確認がとれました。ありがとうございました。と返信するで問題ないでしょうか?他にすることはありますでしょうか? また、クレジット会社には普通通りに支払いすれば問題ないでしょうか?