リース契約のトラブルについて

企業・事業者のリース契約は事務機器から什器、空調や車など多岐に亘りますが、ここでは近年トラブルが増加した小規模法人・個人事業主に対し訪問販売される通信機器・自販機・節電機器などの小口リース契約について、事例や現状況を纏めますのでご覧ください。尚、以下に記載するトラブル事例をご確認頂き、ご自身の件と類似する点などが少しでもありましたら一度直接お電話にてご相談頂くことをお勧め致します。当事務所では詳しく状況を伺ったうえ、最近の判例や各社の対応状況をふまえ適切な対応をアドバイス致します。無料相談ご希望の方は以下の番号までお電話頂くかトップページ「無料相談はこちら」の中にあるメールフォームからお問い合わせ下さい。電話窓口: 03-5794-5106 (日祝除く午前10時から午後7時)

トラブルの多いリース体系

「リース会社」と業務提携契約を交わした「販売会社」が、小規模事業者・個人事業主に対し、訪問販売で以下のような物件のリース契約を勧誘するものです。一度締結したリース契約の期間満了前に再勧誘を受けリース契約を結びなおす「切り替え」もよく見られます。

  • 電話機・FAX・複合機
  • モデム・ルーター・サーバー・セキュリティ機器
  • ホームページ(ホームページ管理ソフト)
  • 電光看板
  • 自動販売機
  • 節電機器(ブレーカー)

トラブルの事例

例1, 電話機
訪問した販売会社担当者より「この近辺の光回線への移行に伴い、今の電話機は使えなくなる」「リース契約にすれば通話料が安くなる」と言われ契約を結んだが、後に確認の結果、電話機交換の必要は無く、通話料も安くなっていなかった。
例2, セキュリティ機器
販売会社担当者が自社のパソコンを調べたところ、多数のウィルスが発見された。びっくりして勧められたセキュリティ機器のリース契約を申し込んだが、後に詳しい人に聞いたら「そこまで大掛かりで高額な機器は必要無かった」との指摘を受けた。
例3, ホームページ
ホームページ制作の勧誘を受け、「ホームページ制作だとリース契約は組めないのでソフトの名目でリース契約を通す」とリース契約を結んだが、その後販売会社がホームページを作らず、何度も催促しているうちに倒産してしまった。
例4, 自動販売機
「ここは立地が良いので売れる」「リース代を含めた毎月の経費以上の売上は確実」と言われ自動販売機を設置したが、全く売れず、毎月のリース代支払が苦しい。
例5, ブレーカー
訪問した販売会社担当者が自社の電気使用量を調査し、「リース契約で節電機を導入すればここまで削減できる」と提案されたので申し込みしたが、その後度々ブレーカーが落ちて業務に支障が出ている。
例6, 契約の中途切り替え
複合機のリース期間中に再度販売会社担当者が訪問し「新たな商品が出た」「新規契約に切り替えれば今よりリース代が安くなる」「元のリースは当社で解約する」と言われ契約したが、その後元のリースが解約されず、2重の支払になっている。

トラブルの概略と現状況

まず、これらリース契約は通常の事業者契約となりますが、申し込みを行う小規模法人・個人事業主の殆どが調査交渉能力や感覚において消費者と大差無く、そこに発生する齟齬が問題の原因となっています。本来、事業者の契約は契約自由の原則に基づき当事者双方が利害を調整、契約内容を加除修正し合意締結されるものですが、これら契約において申込者は販売会社の提案を全面的に信頼、簡潔な説明のみで承諾するといったまるで消費者契約の流れをとっており、しかし消費者契約において通念上あると予想されるクーリングオフや中途解約など保護制度はこれらリース契約には存在せず、販売会社からは同事実を認識させるべく積極的な説明が無いばかりか、上記例のように状況を逆手に利用されている側面もあり、事後その境遇に気付いた申込者とリース会社間で多くの紛争が発生していました。尚、これらリース契約において訪問から契約締結に至る手続きは一貫して販売会社に委任されているものの、実態は通常と同じリース会社との賃貸契約であり、申込者がこれら契約の取消を要求する場合、まず販売会社の過失を立証、そしてその責任を善意の第三者であるリース会社に課すといった二重に困難な壁に阻まれこととなり、事実それら要求の殆どは退けられてきました。そのような中、事態を深刻に見た経済産業省が平成17年12月6日付けで特定商取引法の通達改正を行い、申込者の立場や物件使用状況が消費者と相違無い場合に同法(クーリングオフなど)適用の可能性を示唆した他、販売会社とリース会社の一体性を定義、リース事業協会に指導を行うなど事態改善へ動き出し、全国で結成された被害弁護団も継続的に新たな規制法制定を働きかけるなど、徐々に申込者に有利な状況は出始め、以降交渉により早期和解に至る例も増えています。しかし、それ以外に現状未だ決定的な手段がある訳ではなく、とにかくも申込者には契約時の慎重な判断が求められています。

契約時の注意点

リースの必要性を検討する
販売会社からそのような虚偽説明がなされることもありますが、事業者のリース契約或いはビジネス機器導入は必須ではありません。通常、企業のリース導入は設備への初期投資削減や税制・会計上の利点を含め総合的に判断されるものですが、これら契約においては本来安価な家庭用機器で充分に間に合うところ、不釣合いに高機能・高額な機器を導入しているなど殆ど利点が見られない事例も多く、勧誘を受けた際は即決せず、税理士や会計士に相談するなど経営上の判断として導入の必要性を判断することが重要です。
書面・録音を残す
トラブルの大半は後に立証が困難となる口頭でのやり取りが要因となっていますので、セールストーク全般・契約に含まれないサービスの約束など、なるべく多くの証拠を残すことが予防策にもなります。ただし、その後販売会社が倒産・消失してしまうこともあり、また上記のとおり販売会社の過失の立証が即ちリース契約の取消要件とはなりませんが、争いに有用な材料となることは間違いありません。
リース会社に確認する
通常、販売会社とリース契約を締結後、リース会社から契約確認の電話連絡があります。それ以前でも構いませんが、販売会社勧誘内容について確認、報告を行うことで明確になることは多く、その時点なら無条件でリース申込の撤回が可能です。

契約後の中途解約

これらリース契約上、中途解約は可能ですがその時点で残債を一括清算することになるので、債務上の中途解約は無いと同義です。(よくあるリース期間中の切り替えは販売会社が現リース会社に残存債務を支払い解約手続きをしています)そして契約上の連帯保証人は殆どの場合代表者個人となっており、自己都合による契約解除は勿論、廃業の際にも債務は免除されません。そして残るは販売会社過失を理由とした契約解除・取消要求ですが、ここまで述べたとおり、実状は易しくないものの良い兆候は出始めており、主張を整理した内容証明郵便の送付、3社交渉など早期段階での和解の可能性もあります。

まとめとご案内

事業者に消費者センターに相応するような規模の公的相談窓口は無く、経済産業省の事業者相談窓口や、民間の商工会議所、弁護士会の事業者相談などが代表的な相談窓口となります。これだけでも事業者の置かれる立場が俯瞰出来ますが、実際の手続きも力点の置かれ方や方向性など消費者とは別物です。法務顧問が居れば勿論、企業法務関連に詳しい親族友人知人にあたり、難しいようであれば前述の窓口、当職無料相談含めご検討ください。尚、無料相談ご希望の方は以下の番号までお電話頂くかトップページ「無料相談はこちら」の中にあるメールフォームからお問い合わせ下さい。電話窓口: 03-5794-5106 (日祝除く午前10時から午後7時)

リース契約のトラブルについて」への3件のフィードバック

  1. ●●●●

    はじめまして。弊社は、10人程度の会社です。以前より、電話をリースで使用しています。しかし、ここにきて
    とても高額であると認識しました。尋ねる人もいないので、今日まで来てしまいました。特に、トラブルはありませんが、
    担当の人も問題はなく、でも、電話機がこんなにもするのかと思います。
    どうしたらいいでしょうか?
    よろしくお願いいたします。

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